BP-VE(VVT機能付き)エンジンスワップ(販売終了)
Freedom BP-VE swap ECU forNA8C (Later model) Freedom ECU NA6C VVT
code:mar11112100
¥176,000(¥160,000)
Freedom ECU forNA8C (Early model)
code:mar10031000
¥165,000(¥150,000)
Freedom BP-VE swap ECU forNA8C (Later model)Freedom ECU NA8C later model VVT
code:mar10310001
¥176,000(¥160,000)
Freedom BP-VE swap ECU forNB8C (Early model)Freedom ECU NB8C early model VVT
code:mar10310002
¥176,000(¥160,000)
Wiring kit BP-VE swap for NA6 relay harness VVTRelay harness VVT
code:mar11112101
¥46,200(¥42,000)
Wire kit for BP-VE swap and relay harness for VVTRelay harness VVT
code:mar10310003
¥41,800(¥38,000)
Wiring kit BP-VE swap for NB8-early relay harness VVTRelay harness VVT
code:mar14112100
¥33,000(¥30,000)
NB8 Sr-2以降で採用されているBP-VE型エンジン(可変バルブタイミング機構・VVT機能)をNA8やNB8(前期)にスワップするチューニング方法は、既に他ガレージでも行われているものです。
一般的に行われるスワップ手順としては
- エンジンASSY(BP-VE)を搭載する。
- エンジンハーネスもNB8用を引き直しする。
- NB8 Sr-2用純正ECUを使う
以上3点がセットになっています。
しかし、実際の作業は決して簡単な話しではありません。
■課題点
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使うエンジンは中古品が多いが、同時にハーネス(配線)やECUも併せて手配をしなくてはならない。
ハーネスやECUの純正新品価格は併せて20万円を超えてしまいます。 -
エンジンハーネスの通り道はNA8用とNB8用は全く異なるので、NB用ハーネスを使う場合は、バルクヘッド(エンジンと室内の隔壁)に大きな穴を開けなくてはならない。
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室内に通したハーネスは、メーターパネル裏側辺りに位置し、その配線を処理するには、場合によってはダッシュパネルを取り外す必要がでてきます。
ダッシュパネル脱着は結構手間の掛かる作業であり、容易ではありません。
- 配線処理もNB8用エンジンハーネスとNB8用ECUだけを結線すれば済む話ではなく、既存の室内側ハーネス(メーターパネル系)との結線処理も行わなくてはなりません。
エンジン+ハーネス+ECUがあれば、ポンっと載る様に思われがちですが、実際には簡単な話しではないのです。
その上、この3点スワップを行ったとしても、チューニングの要素はどうでしょうか?
ECUが純正なだけに、その範囲は限られてしまいます。
マルハ流スワップ
では、マルハではどの様に対応をするのか?
-
BP-VE搭載にあたり、既存の車両ハーネスを使います。
NA8用であれば、そのままNA8用の車両ハーネスを使うことができます。
-
ECUはマルハ専用Freedomで制御。
E&E社との共同開発によるマルハスペシャルECUを使えば、ECUは完全カプラーONでOK。
室内側には面倒な配線処理が一切ありません。
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BP-VE(VVT機能付き)の各センサや点火パーツと車両側ハーネスとの結線はマルハ専用中継ハーネスキットで手軽に対応。
BP-VE専用のダイレクトIGも勿論使用可能です。
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搭載エンジンが標準仕様でも、ハイカム仕様でも、ターボやS/C仕様でも、4連仕様でも大丈夫。
Freedom制御(フルコン)なので、どんなエンジン仕様にも対応が可能です。
さらに、Freedom ECUはD制御、つまり純正エアフロセンサを使う必要がありません。
エアフロレス化を標準とするので、たとえ標準BP-VEでも、通常よりもパワーアップが図れるのです。
-
通販でも対応が可能です。
ユーザーの地元でエンジンスワップを行うので、専用中継ハーネスキットや専用ECU(Freedom)に当社オリジナルプログラムを入力しての出荷も可能です。
いかがですか?
マルハ流BP-VEスワップがいかにスマートなスワップ方法であるのか、概略はお分かり頂けると思います。
では、もう少し詳しくお伝えいたしましょう。
何故、NB8(Sr-2)以降のエンジンなのか?
■その1:可変バルブタイミング機構
VVTと言う略称は市場では一般的なものなので、当WEBでも“VVT"で話しを進めましょう。
VVT機能は今やどの車にも搭載されている程に一般的な機能で、軽自動車にさせ装備されている機能です。
さらに高度なエンジンではIN側・EX側の両方にVVT機能が搭載されており、その制御は大変複雑なものです。
■その2:ハイコンプ型ピストン
NB8(Sr-2)以降から採用されている純正ピストンは、NA・NB系ロードスターの中で最も圧縮比の高いハイコンプモデル。
圧縮比は10.5:1にもなります。
因みにNA8用BPエンジンの圧縮比は9.0:1です。
自然吸入のエンジンにおいて高圧縮はパンチ力を出す為に非常に有効な手段になります。
■その3:カムシャフト
VVT機能の採用によりバルブタイミングを油圧制御していますが、実はカム自体のプロフィールも大きく異なります。
IN側のカムはリフト量が純正のままでも9.8mmにも達し、十分なハイリフトカムを形成しています。
■その4:オイルバッフル
BPエンジンでは5個のメインキャップのみでクランクシャフトをエンジンブロックに固定します。
他社製エンジンでは、このメインキャップが一体型になったラダービーム方式がありますが、ロードスターの様な基本が汎用的エンジンでは、当初の設計がそこまでの高性能を目標としていません。
しかし、NB8(Sr-2)からはこのメインキャップをより堅牢なバッフルプレートで連結させることで、互いの剛性を向上させています。
■その5:ハイフローオイルポンプ
NB8(Sr-2)から装備されたVVT機能は、油圧で制御されており、NA8・NB8(前期)よりも多くの油量を必要としています。
従い、NB8(Sr-2)以降は専用のオイルポンプが使われています。
ポンプ外観は従来のものと変わりがありませんが、中のトロコイドが僅かに厚くなり、ハイフロー型ポンプとして設計されています。
リリーフバルブのスプリングにシムを使ったハイプレッシャーは高回転での油圧こそ高くなりますが、トロコイドが厚くなったハイフローは油量が多いことを指します。
低回転域からも各部に十分なオイルを潤滑させるので、安定したオイル管理が可能になります。
■その6:エンジン出力
以下エンジン性能曲線を見てください。
当社設備で測定したBPエンジンの性能グラフです。
B: NB8C VVT純正エンジン+(純正ECU)
A: NA8C純正エンジン+(純正ECU)
BのNB8(Sr-2)への単純スワップだけでもかなりの性能UPですが、Cの様にエアフロレス化(Freedom制御)になればその性能をさらに発揮することが可能です。
VVT機能は低速域でのトルクアップ、そして高回転域での伸び、と幅広いエンジンマネージメントを行い、BP-VEユニットのエンジン性能をより発揮させることが可能なのです。
VVT機能とは?
NB8(Sr-2)にはVVT機能が搭載されているから・・これが先ずスワップを促す大きな要因。
では、具体的にVVT機能とはなんなのか?説明いたしましょう。
マルハではオリジナル・スライドカムプーリーを製造販売しておりますが、これはカムシャフトがバルブを押し下げる“時期”を調整する為のものです。
カムがバルブを押し下げている時間(作用角)や押し下げる距離(リフト量)はカム自体の性能になるので、カムプーリーはこの作用角とリフト量を調整するものではありません。
カムとクランクシャフトとは、タイミングベルトを介して連動し、クランク2回転/カム1回転で同期します。
クランク回転はイコール・ピストンの上下運動になり、つまりはピストンの上下に併せてカムでバルブの開閉を行っているわけです。
ピストンの位置関係に併せてバルブ開閉する時期(タイミング)を変化させるのが、スライドカムプーリーの役割です。
しかし、スライドプーリーも一度決めた位置で固定をするので、低回転寄りのバルブタイミングであっても、あるいは高回転で伸びるタイミングであろうとも、固定後は再調整しない限りは変更が出来ません。
世の中には頭の良い人がいるもので、ではそのバルブタイミングに油圧制御式の可変プーリーを使えば?と考えだしたものがNB8(Sr-2)以降のVVT機能になるわけです。
因みに、ホンダのVTECやトヨタ2ZZなどで使われている手法は、カムの作用角やリフト量までも制御する超複雑機能で、アフターで販売されるチューニング用と称するカムシャフトも実際には純正カムの性能を超えないモノまでも出回る始末です。
それほど、カム周りの制御は難しいものです。
遅角と進角
スライドプーリーでバルブタイミングを調整することを、遅角・進角と称します。
ここでは、そのテクニックについての解説は省略しますが、通常はエンジン仕様・あるいはカムスペックなどで概ねタイミング時期は決定されます。
しかし、VVT機能は、遅角・進角を様々な運転状況に合わせて制御します。
- エンジン始動 最遅角でエンジンが掛りやすいタイミングです。
- アイドル維持 オーバーラップを小さくし、アイドル回転を安定させる。
- 中負荷領域 オーバーラップを大きくします。
- 高負荷低中回転領域 進角させてトルクを狙います。
- 高負荷高回転領域 遅角させて高出力を狙います。
このように、遅角/進角の互いのメリットを融合させ、裏腹に互いのデメリットを打ち消すことがVVT機能の目的なのです。
マルハ・専用Freedom
BP-VEスワップを既存の車両ハーネスを使って行うことは、従来不可能と考えていましたが、E&E社との共同開発のもと専用Freedomと専用中継ハーネスを使うことで、実現に漕ぎ着けました。
例えば、NA8ではカムテールにあるクランク角センサでカム位置(ピストン位置)を検出するのに対し、NB8(Sr-2)ではクランクプーリーにプレート突起からピストン位置を検出。
さらにはカムテールの突起からカム位置を検出しています。
この他に、点火方式はダイレクトIGコイルになり、本来NA8には無いVVT機能までもコントロールしなくてはなりません。
専用Freedomで実現したことは大変意味が深く、チューニングの観点からすれば大きな進歩となります。
■・エアフロレス化
NB用のエアフロメーターはホットワイヤ式を使った空気抵抗を抑えたタイプですが、実際には、そのエアフロもただの筒ではありません。
中身はメッシュ構造になっており、大きな空気抵抗に為り得ることは容易に想像できます。
エアフロレスとは、この純正エアフロを取り外す事が出来ること。つまり吸入側のパーツやそのレイアウトを大幅に変更できると言うことなのです。
空気抵抗のあるパーツを省略でき、且つエンジン本来の性能をMAP上から改善できるのですから、Freedom化の意味は極めて大きいと考えます。
■・配線処理
既存の車両ハーネスとBP-VEの各センサとはマルハオリジナルの中継ハーネスキットで接続します。
しかし、本来純正では使っていないFreedom制御用の吸入空気温度センサとバキュームセンサの配線処理が必要になります。
加えて、BP-VEのマニホールドを使う場合はTPS(スロットル)やISCV(アイドル)などのセンサ用端子の組み換え作業が発生します。
しかし、どれも専用のカプラーやターミナル端子がキットに付属しているので、どこの整備工場でも十分行える程度の配線処理です。
■・Freedomのバージョンアップ
既にFreedom ECUを所有されている場合には、そのバージョンアップでも対応が可能です。
対象になるFreedomは本体に貼られているラベルで識別できますので、詳細はお問い合わせ下さい。
バージョンが古いFreedomでは対応が出来ない場合がございます。
ハイカム
BP-VEの単純スワップだけで満足されてしまうNA8オーナーは少なくないかも知れませんが、折角のFreedom化。エンジンセッティングを任意に行える環境が整っている中でファインチューニング定番のマルハFカムを是非ともご検討下さい。
徹底的にベンチテストを繰り返し、その性能を実証した上で送り出すマルハFカムは比較的優しいスペックでありながら、確実にBP-VEのエンジン性能を向上させることが出来ます。
詳しい情報はVVT用Fカムのページをご参照下さい。
マーレ鍛造ピストン&H断面コンロッド
中古エンジンを安く見つけて来て、そのままスワップも良いでしょう。
コストは大変重要な要素です。
しかし、中古エンジンにはそれなりにリスクも伴います。
- どんな使い方をされてきたのか?
- どの位の走行距離なのか?
- 定期的にエンジンオイルは交換されていたのか?
- エンジン単体で長期保管されていたのか?内部錆びは大丈夫か?
- 搭載された後にエンジン内部不具合が発覚したらどうしようか?
悩み出せばキリがありません。
ならば、事前にオーバーホールはいかがでしょうか?
エンジンO/Hはマルハの真骨頂。
俄然お勧めなのが、マーレ製特注鍛造ピストン。
MAHLE社は世界最高峰のピストンメーカー。
ポルシェ・フェラーリを始め、多くの高級欧州車やF1フォームラーなどのレース採用される屈指のピストンメーカーです。
純正サイズと同じ83mmはホーニングのみで装着可能、トルク&パワー狙いであれば85.5mmのタイプがお勧めです。
H断面コンロッドも非常に効果的です。
Newエンジン
中古エンジンではなく、Newエンジンを搭載する方法もあります。
Newエンジンであれば、カムカバーからオイルパンまで全てが新品。
安心したエンジンスワップが可能になります。
磨耗・消耗している部分を気にしながらのO/Hとは異なる観点からエンジンをリフレッシュできるのです。
付属していないものは、インテーク系・エキゾースト系・電装部品・ホース類・インジェクター系となります。
このNEWエンジンにFカムやピストンを入れ替えて、マルハ流エンジンに仕上げることができます。