SST第3弾 クラッチ用センター出しツール
SSTClutch centering guide centering tool
code:49SE-01-310A For NA NB
¥11,396(¥10,360)
クラッチ交換をする際に必要になる特殊工具がクラッチディスクのセンター出しツールです。
今回紹介するセンター出しツールはマツダが発売する専用SSTです。
他にもセンター出しツールは発売されていますが、プラスティック製品もあり耐久性に疑問視されるものもあります。
マツダSSTは焼き入れのスチール材で作られており、非常に堅牢です。
また、価格も手ごろなことからプロ〜プライベーターまで長くお使い頂けるものです。
センター出しツールの使い方
- フライホイールをクランクシャフトに取り付けた後に、クラッチディスクを重ね、ツールで貫通させ、ディスクのセンター出しを行います。
ツール先端はフライホイールのパイロットベアリングに勘合し芯出しをします。
ディスクはツールのテーパーを使って芯出しをします。
- この状態でクラッチカバーを重ね、ロックボルトで全体を固定。
クラッチディスクのセンターが適切に出ていない状態でカバーを固定してしまうと、トランスミッション搭載の際に、ギヤスプラインとディスクが上手く勘合できません。無理な作業の要因になりやすく、時間が掛かるばかりか、時にはクラッチディスクの歪みや破損の原因にもなりますので、センター出しはクラッチ交換の際には非常に大事な工程になります。
マルハ軽量フライフライホイールについて
クラッチ用SSTのコーナーでもあるので、大変好評を頂いておりますマルハ軽量F/W(01R/28R)についても少し補足いたしましょう。
■センターパイロットの軽圧入
NA・NB型のロードスター純正F/Wは単純な丸穴が設けられており、ここにパイロットベアリングを圧入させます。
丸穴に対し圧入をして固定となりますので、ベアリングの外周にかなりストレスを掛けるほどに圧入をしないと抜け出してしまいます。
ハードドライブをする車両をメンテする際に、ベアリングが振動で抜け落ちているケースもあります。
写真の様に、指を入れてベアリングの状態を確認しますが新品のベアリングを使ってもゴリゴリ感が発生してしまう場合もあります。
マルハのフライホイールはベアリングに無理なストレスが掛り難い設計なので、ゴリゴリ感は皆無。
これはまさしく圧入により歪みが発生し、ベアリングの性能が低下している証拠です。
ベアリングの機能低下は異音の発生やシフトフィール低下につながり、僅か\1000程度のベアリング交換のために高い工賃が発生する羽目になります。
マルハF/Wは表面に抜け防止のストッパー機構を設け、裏側よりベアリングを軽圧入する仕組みです。
クランクテールで蓋をされる格好になるので、装着後に抜け出すことはありません。
この抜け防止のお陰で無理な圧入交差を避け軽圧入としたので、ベアリングの寿命が非常に長くなりました。
■クラッチカバーのセンター出し
ディスクは今回紹介したツールでセンター出しを行いますが、カバーはF/Wに設けられた3個のピンで位置が決まってしまいます。マルハF/Wのピン位置とその直径は3D計測を複数繰り返し、基準を取っております。
結果、カバーの固定の際にF/Wとの勘合がドンピシャで決まるのも特徴の一つです。
他メーカーのF/Wには、ピン径を細くしカバーとの勘合を必要以上にゆるく設定しているものもあります。
製造交差は甘く済み、装着も楽に行えますが大事なカバーのセンター出しが曖昧になってしまいます。
マルハF/Wは製造精度のみならず、パイロットベアリングの機能向上やカバーのセンター出し様の固定ピンまでは配慮されて製造されていることをご理解ください。