87mmクランクの使用例/純正ピストンとの併用
85mmの標準ストロークに対し、87mmクランクの設定はさらにOHの幅を広げることを目的としています。
排気量を上げることは、エンジントルクを上げる為に最も基本的な方法です。
レースに出るためでもなく、サーキットを走る為でもなく、気持ちよく車を走らせたい、こう考えるユーザーはとても多いと思います。
気持ちよく回るエンジンとは? 個人それぞれの考え方はあるでしょうが、トルクのアップは最たる効果を実感できます。
ハイカム仕様で高回転まで一気に回るエンジン? これはリスクが伴いますし、回転ばかり上がってもトルクが伴わないと速いエンジンにはなりません。
アクセルを踏み込む、それに伴い加速感が得られる。日常の中でこんな楽しいエンジンを実現するには排気量のアップが非常に効果的です。
ピストンは純正のままでいきたい。
NA8の場合は、圧縮アップの為にNB用の純正ピストンをハイコンプ用で流用するケースがあります
しかし、そのサイズは、83.00mm、83.25mm、83.50mmの3種類。
どれを選択しても効果的な排気量アップにはなりません。
つまりは基本的なOHを前提にして、純正ピストンを選択するわけです。
その際に87mmクランクを併せてご検討下さい。
85mmの純正クランクが交換すべき状態であれば、87mmを使ってトルクを上げることはオーバーサイズのピストンを使うこととは少し意味が異なります。
ストロークアップは高回転型からその分遠くになる傾向になります。
その代わりにピストンからのパワーをより長いストロークでクランクが受けることになりますので、トルクを得られやすいエンジン仕様になります。
つまり、乗りやすいエンジン仕様として87mmクランクをお使いいただけます。
さて、純正ピストンと併用する場合、上死点でのピストントップが純正よりも1mm高くなります。
NA8,NB8の場合は純正ピストンの上死点でのトップ位置はブロック上面よりも0.5mm低い位置になります。 従い、純正ガスケットは0.8mmと薄いガスケットが採用されています。
87mmを使用した場合、純正ピストンのトップ位置はブロック上面から0.5mm飛び出る格好になりますが、実はB6エンジンは最初から0.4〜0.5mm飛び出る構造です。
つまりは、ピストントップがブロックからわずかに飛び出る構造自体が何ら問題ではないのです。
MARUHAではこのピストントップの位置をカバーするために厚み1.8mmのガスケットを設定しておりますので、容易に87mmクランクが併用できるように工夫されています。
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