テクニカルアドバイス |
テクアド AUTO SALON (幕張メッセ)
正月早々に初売り広告が我が家にも入った。 ユニクロである。 ここ数年、飛躍的に延びている最も身近な企業である。 昔のユニクロはブランド品を安く売る事に専念していた。 アビレックス、コンバース、etc。 これらの若者ウケする商品を安く販売していた様に記憶している。 記憶しているとボヤカス理由は、"印象に無い"のである。 ところが、フリース地を主体にオリジナルブランドを立ち上げ、見事に成功した。 私は静岡の地元店しか言った事が無い。 また、滅多に行く事も無いが、確かに安い。 それ以外に気づく所が幾つかある。 1. おじさん、おばさん、〜若い人達まで来店客の年齢層が広い。 2. 色が豊富であるが単純な造りのものが多い。 3. 子供服にも力を入れている。 フリースは今でこそ行き渡ってしまったが、私が10年くらい前に購入したL.L.Beanは単純なトレーナーでも10,000円くらいした。 軽くて、暖かく、いかにもアウトドア派向けの素材であった。 これが今や980円でさらにカラフルなものが購入できてしまう事には驚かされるが、この勢いはいつまで続くのであろうか? 店内にいた若いカップルがジャンパーを手にして"おじさんクサーイ"と笑っていた。 実はここが盲点である。 万人に受ける無理の無いデザインが成功しているようなのだ。 流行のデザインとしてはイマイチの様なのだが、値段がドーンと鎮座。 やりくり四苦八苦の主婦には頼もしい店である。 静岡の呉服店でこんなに年齢層が広い店は見た事が無い。 値段もさることながら、シンプルなデザインは年を取っても着られる服なのである。 色も豊富で明るい色から少々地味な物までこれまた幅広い。 フリース製品の安売りは他でも結構ある。 ところが、こんなに幅広い年齢層の客を持つ所は恐らく無いだろう。 ユニクロにとって残す所の恐怖は"飽きあられる事"なのだ。 値段も、製品も申し分なくても、"つまらない、" "また、それかぁ?"と日本人は速いサイクルで市場を淘汰してしまう。 だいぶ話がそれたが、本題に。 千葉幕張メッセに思い切って行って来ました。 お客さんが多い多い。 人ごみを歩くのはなんとも疲れる。 日頃お世話になっている関係会社の出展が多いので、あちこちで挨拶回り。 中々前に進めない。 それでも日頃はわざわざ静岡まで来て頂ける各会社の営業の方に恩返しでもないが、激励と新年挨拶を兼ねて訪問。 各所で面白話も随分聞くことが出来ました。 さて、枕の飽和感をユニクロを例に挙げましたが、このオートサロンもチューニングの観点からはやはり飽きを感じ、ましてや危機感も抱いてしまった。 大勢の来客を見ると若い20代の人が圧倒的。 言わば20代〜30代の世代で日本のチューニング業界は支えられていると言っても良い。 そして彼らが求めているものは、その多くが"見た目"なのだろう。 各メーカーは必死で製品を陳列、アピール。 大別すると、車高調キット、マフラー、エアロ、ライト、ホイール。 車高ダウン、デカいテールのマフラー、厳ついエアロで、18インチのホイールで決まり。 業者(メーカー)は万歳、チューナーはガックリ。 見た目の流行りものは必ず廃れる。 デモカー展示は歴代のGTカー、耐久マシーン、フォーミュラー、フェラーリやF−ポンまであった。 マジマジ眺めて、私は最高に幸せだったが、製品と全く無関係。 イメージアップには繋がるが、実感が湧いてこない。 デッカイ音楽を各ブースでガンガン流す。 ステージのスモークがプッスーと上がるや、バーを抱えてオネーチャンがクネクネ踊って、思わずチップを払いそうになる。エー眺めや。 カメラ小僧がバシバシ必死でシャッター切っている。この光景には本当考えちゃうよ。 入場料にもう少し金出せば、もっとイイ所あるけんねー。おじさん教えちゃる。 あの広―い会場でそれなりのエンジンパーツを展示したのは僅かにTRUSTとHKSだけ。 しかも、ほんの僅か。 それでも、ありがたかったのはHKS。 触る事も出来た。出来も良かった。 TRUSTはピストンを大事にショーケースに仕舞い込んでいた。 肉厚で少しゴツイ。手に取らなくても、なんとなくウエイトが分かる。 エンジンパーツはディスプレイには地味かもしれない、この手の部品は利益率も悪く、一方で高い技術力を要求される。 オートサロンは"見せる場"なら派手なモノがお似合いだろうが、チューニングを大切に扱うメーカーはもう少しマニアになっても良かろう。 売れる物は流行りもの。 流行りものをガンガン前に出だして、利益を上げるは企業では当たり前。 けれども、いぶし銀の様にチューニングを真面目に取り組むメーカーがもっともっと出てきても俺は良いと思う。 本当のチューニングショウは日本では見る事が出来ないのだろうか? 日本中のチューニングショップの関係者がこぞって見に来るような本物を扱うチューングショウが開催されたら、世界屈指のショウになるかも知れない。 景気の悪い日本はチューニング部門で世界をリードしたい。 世界中のチューナーも出展したくなる様なショウが、将来は開催されないものだろうか。 |
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