テクニカルアドバイス
For Roadster

テクアド  ホイールナット

島根県平田市ではパソコン偏重を排し職員間の議論を活発するため2001年度の仕事始めの2日に庁内のパソコンを使用しない「ノーパソコンデー」を実施した。
っとある。
なんか気持ちは分かるけど、"精神的戒め"のようなモノで、あまり意味をなさない、むしろ仕事上の混乱と不満が発生して"効果ゼロ"のような気がします。
次の日仕事が溜まって、"ジョーダンじゃーねーよ。"と言いながらキーボードをバチバチ叩く職員の姿が想像出来ます。
これを見て私も事務所で、"マルハもノーパソコンデー、略してノーパンデーを実施しましょう。!"っと発言した所、社長から睨まれた。
しかし、今やお役所のパソコンは修理屋で言うならば、工具みたいな物。
素手で整備しろっといわれると同じこと。無理あります。

やっぱり現場では的確な工具が必要とされます。
そして無いとホントーニ困るのがホイールナットの専用ソケット。

今回はホイールナットに焦点を当ててみたいと思います。

チョッと写真を見てください。
                       

何の変哲も無い普通の社外アルミロックナットです。
しかしよーく見ると、先端がほんの少し掛けています。
実は先日タイヤを外そうとして、ナットを取ってもビクトモしない凄い例が在ったのです。
"4ヶのナットを外したのにナーンで外れないのだろう?"とハブの辺りに気を集中。
錆び付きもなさそうだし、"うーン??"
よーく見ると、ナットの先端が折れてホイールの中に残っています。
僅か3ミリ程度のリング状態で中に残っているのですが、3ミリでもネジ溝があるので、立派にナットの役目をしています。
つまり最悪。コレを外す工具は流石にマルハでも有りません。

結局ハブのボルト側の中心を狙って延々とドリルで揉む事になりました。


ドリルがズレるとホイールに傷が付きますので、周囲をガムテープでしっかりガード。
後は慎重にセンターを狙って揉み続けます。
努力の甲斐有って、無事成功。 でも時間はかなり掛かってしまいました。

どうしてこんな事が起こったのか?。
アルミホイールは有名な会社の物です。 オーナーに聞くと、アルミナットは別に安売りの物を購入したのだそうです。
つまりホイールとナットの相性が悪かったのです。
そもそもナットの形状が感心出来ないのですが、それにしてもこんなトラブルは他でもあるかもしれません。
個人的にはアルミナットはあまり好きでは有りません。
多くのユーザーがタイヤの張り出しを気にしてスペーサーを使ったりしています。
ネジシロが不足気味のところにアルミナットでは強度は完全に不足します。
アルミナットそのものはしっかりした取り付けであれば、問題はありません。
ポルシェは20年も前から純正品が何とアルミナットなのです。
因みに、本件はLSD取り付けで来店のユーザーの事例でマルハでは後輪のみの脱着。
ユーザーには"前輪も同じ事が考えられますよ"っと説明しておきました。
後日のメールで、"ガーン! 前輪も同じでした。"の連絡が入りました。
お気の毒様です。

次に、盗難防止の専用ロックナット。
                
ナンバー12の刻印が確認できる。
これのトラブルも非常に多い。
1. 専用ソケットを紛失。
2. 専用ソケットが割れた。
3. 専用ソケット内側がナメタ。

以上が主な原因。いずれにせよ、マルハの特殊特殊工具で対処できればラッキーですが、工具が合わなければ、大ピンチ。
やっぱり、普段から使わない方が良いと思うのです。
もし、プロが盗もうと思えば、専用工具でナットは外せます。ドアも開けます。
また、彼らは最近集団で行動をしています。
手馴れていて、しかも迅速。車ごと積載車で運び去る事さえしてしまいます。
ロードスターなら、幌は簡単に切り裂いて、室内からトランクをオープンさせ工具を取り出すのも簡単。
結局、役に立っていない様に思えます。
それでも、抑止の効果を狙って、相変わらす使い続ける諸君にはお願いですから、ソケットに刻まれているナンバーを控えておいて下さい。
そのナンバーが分かれば、メーカーから同じソケットが出ます。
ほぼ100%近くの人がナンバーを控えていません。
どうにかなる。あるいは、考えたことも無い。 の人たちです。
最後に、ワタナベの専用ロックはドライバーとハンマーで簡単にとれます。
最も簡単なロックです。
中が錆びると、マグネットの具合も悪くなるので、普通のナットに交換をお勧めします。

駐車場が自宅から離れている方は、やはり 海外の様に警報装置(アラーム)を付けた方が懸命ですね。
先日、マルハのメカがポルシェのドアロックを直していたら、警報が作動していきなりビッー、ビッーっとデカイ音を響かせました。
何事が起きたのかとビックリする位の迫力。
セキュリティーのシステムは海外モノは流石です。
これぞ本当の盗難防止といえます。

現在、かなりの数の盗難車が日本から海外に運び出されています。
日本車のガードは非常に甘く、場合によってはカギすら付けている人もいます。
ホイールをガッチリガードしているつもりが、車ごと持って行かれる事さえ考えられるのです。

ハードトップは盗難防止上の意味においても非常に有効なアイテムです。
でも、中古品が出ても皆さん高い価格を付けます。
もっと社外新品が安くなれば、市場の中古品も安定した価格になるのですが。

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