テクニカルアドバイス
For Roadster

テクアド チューニング見積り

シッカシ、みなさん 本当にゲンキンでございます。
4月、5月の2ヶ月のSALEで激安クラッチキットを紹介したところ、オファーが直ぐに入ります。
"これは安い!"と即決判断出来る商品は"直球"型。

3月SALEでREDLINEとエンジンクリーニングをセットしたところ、反響は殆どありませんでした。 結構地味なメニューだったかも知れませんが、クリーニングはお勧めメニューなだけにチョッと残念。 "プロ好み"は"星野のカーブ"型。見たいなものですか・・。

さて、今回のテーマは"見積もり"です。

相変わらず、見積もり依頼が山のようにあります。
見積もり恐怖になりそうです。
理由は一点一点小さなパーツまでも書き出しますので、正確なのですが時間がどうしても掛かります。
1日の作業時間は限られています。その中で効率良く仕事を消化しなくてはなりませんが、見積もりで時間が取られるのは本当に苦しい。
見積もり倒れも中にはありますので、効率はあまり良いとは云えません。

しかし、そんな事はマルハの都合、しっかりした見積もり作成はショップの義務。
お客様にとって見れば、明朗会計ほど安心する物はありません。
TELで"××はいくら位ですか?"と聞かれたら、例えその時にある程度の金額が分かっても、最後に"希望であれば、
正確な見積もりを出します。"と付け加えます。

エンジンのO/Hのように、金額の大きな内容になると殆どの方が、他ショップでも見積もりを取られるはずです。
金額だけではなくて、そのショップの考え方や、方法、納期、なんかも見積書から見えてきたりします。
例えば、エンジンO/Hでも再使用パーツや交換パーツからもO/Hに関するショップの姿勢が伺える訳です。
勿論、安いに越した事はありませんが、しっかり内容を吟味するのは当たりまえ。言い換えれば、吟味はユーザーの義務。

エンジンO/Hばかりでは無く、デフのLSDの組み込みや、クラッチのO/Hなんかでも交換パーツはしっかり確認するべきです。

LSDを交換するのに、必要部品はLSD本体とオイルのみと考えている方もいるかもしれません。
NA8CやNB系は実際にそれだけでも作業は可能なのですが、サイドベアリングやサイドオイルシールは再使用になります。
サイドベアリングはLSD本体を保持するベアリングが左右で2ヶ使用されています。
純正デフからプレスで抜き取って再使用の手段もあるのですが、圧入されているものを無理に抜くのですから、歪みが心配になります。
また、折角の高価なLSDを組み込むにあたり、2ヶで5,000円程度のベアリングを惜しむのもどうかと思います。
オイルシールに至ってはもっと安いもので、後からオイルが漏れるよりは新品交換をしておいて、安心して楽しめる方を選択して頂きたいモノです。

ショップにとって確実な作業をさせてもらえる事は、ユーザーが理解をしてくれていることの証でもあります。

マルハではクラッチ、LSD関係の純正パーツはもとより、殆どの純正エンジンパーツを常に在庫しています。
マルハでは良く出る商品もメーカーではあまり出ないものになると、欠品なども予測出来ます。
(当社では頻繁なO/Hもメーカーからすればレアな部類になる訳です。)
それら全てを在庫してあるショップなどは そうザラには無いはずですが、マルハが其処まで拘る理由は、その場で直ぐに対処出来るからです。

例えば、
  1. チョッとしたベアリングが急に必要になった。
    クラッチO/Hをしていたら、フライホイールのセンターベアリングが傷んでいた。
  2.  オイルシールが見積もりから外れていたが実作業上交換をしなくてはならない。
    タイミングベルトを交換しようとしたら、カムシャフトやクランクシャフトのオイルシールからオイル漏れが確認された。
  3.  ヒーターホースやラジエターホースは実際には硬くて再使用は難しい。
    ラジエター交換をしようとしたら、ラジエターホースが硬くなっていて、再使用の場合
    水漏れが心配になる。
  4.  ブーツが破れていた。
    ブレーキパッドを交換する際にタイロッドエンドのブーツが破れているのが確認された。
例を挙げていくと、どれも細かいパーツばかりでたいした物でもありませんが、パーツが無い事には作業が進みません。
とは言え、在庫点数は結構な量と金額になります。
チューニングパーツ、純正エンジンパーツはもとより、常にクラッチ、フライホイール、LSD,そして関連純正部品までも在庫していると大変なものになります。
そんな結果から、いつでもレースエンジンが直ぐに組めるほどの在庫体制になってしまいました。

ショップからすると、見積もり外のもは"見ても見ぬ振り"でそのまま閉じてしまうケースも考えられます。
作業をストップさせる事は、効率上避けたいからです。
だからこそ、しっかりした事前見積もり、細かなパーツに及ぶ在庫の管理、これらが本当に大切なことになります。

最後に、チューニングの際は仕様内容や目的、そして必要性をしっかり打ち合わせをして作業に入る事が大事です。
ロードスターのユーザーは一般的に若い人が多いです。
みんな四苦八苦してチューニング費用を捻出しています。
金額が掛かるチューニングはクレジットを組んで費用を工面する人も珍しくありません。

だからこそ、正確な見積もりと無駄の無いメニューが必要になります。

私たちショップにとってチューニングは仕事、即ち金儲け。けれども皆さんから喜ばれる金儲けが出来たら、最高です。

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