テクニカルアドバイス |
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テクアド ケミカル #1
ドライコートスプレー 日本道路公団と首都高速道路公団は料金所で止まらず通過できる自動支払いシステム(ETC)を千葉と沖縄の両地区で3月30日から本格運用すると発表。 クレジット申し込みは2月上旬、車載器は3月中旬から販売開始。 01年秋までに東名、名神などで運用開始 だそうである。 先月末頃の新聞記事だったのですが、この記事を読んでいて私の頭に浮かんだ光景は、金出して車載器買った人が千葉の料金所で専用のゲートを通過しようとしてもいつも通りに料金所は込み合っていて結局STOP。 申し込んだ人も、申し込んでいない人も込み合うゲートにいつも通りに並ぶ有様。 チャッカリした人は車載器なしでも専用ゲートを突破。 結局、改善にならず渋滞は依然として起こり、尚且つ無銭通過車も出現する始末。 自動支払いシステム(ETC)の理想は分かりますが、実際に本当に効果的なシステムになり得るのでしょうか? と言うことで今回のテーマは本当に効果的でしょうか? ケミカル品の巻き。 マルハに限らず、それぞれのショップや整備工場では必ず効果的なケミカル品があります。 チョッとそこらの大手カーコンビニでは手に入りません。 そんなスプレー缶がユーザーの目にとまると、後がウルサイ。 "コレー どんな風に使うっすかー?"に始まり、アレコレアレコレと質問攻め。 今回は特別にその一つを公開(後悔?)しましょう。 商品名はリキ・モリ ドライコートスプレー です。 チョッと講釈。 1. ドライコート剤とは? *潤滑性をもった塗料の様なもの。 *二硫化モリブデンの入った乾燥した潤滑皮膜が塗布面に形成され、ウェットなベトツキを嫌う箇所に適した潤滑方法。 * ドライコートスプレーはこの様な目的で作られた潤滑剤で、溶剤とバインダー(接着剤) と二硫化モリブデンパウダーで出来上がっています。 2. 利用例 * ブレーキライニング、ディスクパッド 元々ライニングやパッドには、ブレーキの効き具合の調整のために二硫化モリブデンが配合された材料が使われていますが、長期間の使用により表面の摩耗で片当たり等から鳴きが発生する場合があります。 鳴きは、滑りにくい材料同士がこすれ合って出るものですから、適度に二硫化モリブデンの効果で滑りやすくしてやる事で鳴きを止めます。 *クラッチ マルハでは独自にクラッチディスクにも全面塗布します。 クラッチは半クラ状態も想定しなくてはなりません。 マルハで扱うのは何もロードスターだけではありません。 一般的乗用車も随分の数をこなします。 スポーツ走行ではクラッチをポンポン繋ぎますが、日常では街中でじっくりとクラッチを繋ぐはずです。 クラッチが上手くすべる事でスムースな発進が可能になります。とは言え、完全ロック時にすべって貰っては困ります。 ドライコートは乾燥潤滑剤です。 半クラで適度なすべり、ロックはしっかり、こんな事が可能になる特殊スプレーなのです。 トラックなどの貨物車載時は半クラ時にジャダーが出ますが、これらも半クラ時のクラッチディスクの摩擦に偏りが発生する為です。 こんな時も非常に効果的です。 マルハでは一般的なクラッチディスクには殆ど全てにこのドライコートスプレーを塗布します。 もうチョッと講釈 固体潤滑剤・二硫化モリブデンとは? 二硫化モリブデンは黒い鉛色で美しい光沢をもち、雲母のように何枚にも剥がれ、ロウのように軟らかい天然の鉱物です。 この鉱物をミクロ的に見ると規則的な層状結晶をしています。 二硫化モリブデンの潤滑性は、実はこの層状の1つ1つの面に沿って滑る為です。 丁度、重ねたトランプを指で押さえるとスルッと横に滑るのに似ています。 この滑るトランプが二硫化モリブデン微粒子0.1ミクロン(1万分の1mm)の一粒の中に、百数十枚も重なっているのです。 摩擦係数0.04と言う小さな数値はここから生まれます。 そして、"鉱物"の性質を如何なく発揮するのが耐熱性と耐圧性です。
当社でも興味のある方にはお分けします。 |
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