マルハの定番商品として、すっかりと定着をした78サーモ。
弁径が大きく、電子制御では影響の出難いローテンプ・78度で開弁が始まり、また90度近辺で全開となります。
さらに、78サーモの優れている点は、全開時のストロークの大きさ。バックリと大きく弁が開くので、水流をより多く稼ぐことができます。
水流が大きく稼げれば、冷却効果も大きくなる。
ラジエターの容量をさらに引き出すことが可能になるわけです。こんな小さなアイテムですが、冷却効果は大きく影響し、単に開弁温度のみを対象にした一般的なローテンプサーモとは一線を画すのが、マルハの78サーモの性能なのです。
大変に優れたサーモスタットなのですが、NA6CEには使用することができませんでした。
理由は、サーモハウジングの形状とサーモスタットの全高にあります。
NA6CE用のサーモハウジングは、L字型をしています。曲がったハウジング部にサーモスタットが垂直にセットされる様になっています。
この垂直位置でのセットが前提になっているために、NA6CEの純正サーモスタットは他車種のサーモスタットと比較して、全高が短いタイプになっているのです。
この点は、アフターパーツのサーモスタットをNA6CEに装着する際に注意しなくてはならない箇所で、純正品よりも全高が長いサーモスタットを不注意に使用し、サーモスタットが完全にハウジングに収まらず、冷却水が漏れているケースなどがあります。
画像は、ハウジングに78サーモを仮にセットしたところ。
わずかに78サーモが収まりきらずに、浮いている様子が分かります。これこそが78サーモがNA6CEに装着できない理由なのです。
78サーモの全高が純正サーモより長いので、ハウジング内に収まり切らない。
理由はボトムで干渉しているのです。
では、具体的にどこと干渉が?
ハウジングの内部を確認すると、ボトムにリブが設けてあります。
このリブには2つの理由が考えられる。
1つは補強。L字に曲がったハウジングの強度を確保するために設けられたリブ。
2つ目は冷却水の整流。曲がった部分で冷却水がよどまない様にリブを使っている。
メーカーでは目的があってボトム内部にリブを設けているのです。
ところが、サーモスタットと干渉しているのは、まさにこのリブなのです。
サーモスタット側の干渉はサーモスタットの骨格となるベースフレームが干渉しています。
新設計のアダプターは、従来のアダプターより若干厚みを持たせ(15mm)、内部に段つきを設け、サーモスタットの位置を上部に引き上げます。
従来型のアダプターも同様ですが、水温センサは必ずサーモスタットの上側に取り付けます。
サーモスタットの下側に取り付けてしまうと、サーモの収縮時にスプリング等と干渉する恐れがあるためです。
アダプターに設けてあるメスネジは1/8PTピッチです。
電子メーターの殆どは1/8PTピッチのセンサとなっていますが、御使用前に必ず確認を
してください。
プラグはアダプターを使用しても、メーターを取り付けない場合に一時的に栓をするメクラ栓の役目をします。
一般的には“沈みプラグ”と言われます。
プラグはステンレス製となっています。
プラグを使われる場合でも、インナーリングの切り欠き部は後からセンサを取り付けても支障のない適切な箇所でセットをしてください。
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