ダブル処理加工費 ピストン1個
純正ピストンを更に飛躍させる技法がダブル処理。
W処理とは1.マイクロピーニングと2.モリブデンショットの2段階表面処理のこと。
コストを抑えるための純正ピストン採用であっても、さらにW処理を行うことで大きな効果が得られます。
従来より大幅に価格を引き下げ、コスト低減にお役に立てれば幸いです。
モデル:NB8C(Sr-2)用純正ピストン
左:ダブル処理済み 右:未処理
母材(この場合はピストン)に摩材を噴射して表面変化をもたらす技法。
微細なショットを高速で打つことで、組織変化、つまり熱処理効果を出すことが出来る点が特徴的です。
処理にはなだらかで微細な凹凸ができ、またその凹凸は硬度が高い面圧に負けない組織になっています。
この凹部に潤滑油を保持させる事ができると、接触面の減少により、油切れをなくし、磨耗を低減させ、摺動性を向上させる事が可能となります。
従来の凹凸では面圧に負けてしまい潰れてしまうのですが、当技法では表面硬度を上げながら凹凸を作り出すので、摺動性を向上させる事ができるのです。
処理をしていないピストンの場合は使い始めると摺動面が平面化してしまい抵抗が増し、
又平面化している部分から油膜切れを起こすことになります。
処理をすると先ず表面が微細化され無数のディンプルが創生します。
ディンプルの谷間にはオイルが溜まり、点で接触をするので摺動抵抗を大幅に低減ができるのです。
モータースポーツの世界では、F1、Fポン、ルマン、GT、ドラッグなどの様々なカテゴリーにおいて、エンジン、ミッション、デフなどの部品に採用されています。
モリブデンの粒子を圧縮空気でピストン表面に打ち込む特許技術です。
従来のモリブデンコーティングはバインダー(接着剤)を使って表面にコーティングする方法ですが、処理後は皮膜の厚さにより、寸法が変化したり、摩滅により長期に渡る性能維持は期待できない面がありました。
モリブデンブラストはバインダー(接着剤)を一切使わずに表面に打ち込む特殊技術であり、皮膜厚による外寸の変化は見られません。
また、ピストンとシリンダーの接触による摩滅は無く、接触を繰り返す事で表面層に打ち込まれたモリブデン粒子がさらに奥に刷り込まれる現象が認められています。
つまりは非常に長期に渡り、モリブデンによる摺動抵抗の低減が期待できるのです。
純正基本O/Hをする場合でも、マルハではユーザーのご理解が得られるのであれば、例え純正ピストンであろうが、積極的にこのダブル処理をお勧めいたします。
ダブル処理は単に初期馴染みの向上のみを狙ったものでは無く、長期間の使用に対してその効果を期待するものであることを繰り返し説明しておきます。
例え純正部品でも大切な機能部品は大切に扱う当たり前の姿勢が高精度、高性能なエンジンに繋がる事を確信しております。
[Home]