MARUHA MOTORS

パワークラッチ インプレッションと補足

多くの問い合わせいただき誠に有り難うございます。


さて、今回はインプレッション偏として、実際の使用感についてご説明いたします。

商品紹介(MARUHA POWER CLUTCH SYSTEM)では、機能的な面を重視して説明を行いましたが、やはり気になるのが、実際に使った感触だと思います。 チューニング用としてのクラッチのイメージは、一般的にはどうしてもヘビーなものになるはずです。
イコール、"自分にはチョッと合ってないなぁ"と連想されても仕方がありません。

文章では中々伝え難いとは思いますが、皆さんの判断基準としてご参考いただければ幸いです。

1. ペダル踏力
2. 半クラッチ
3. ピックアップとシフトチェンジ
4. シャラシャラ音

1. ペダル踏力
"強化クラッチ"の言葉の響きからもっとも気になるのが、ペダル踏力です。 重いクラッチペダルでは渋滞にハマったリ、日常的に通勤に使う事を考えると・・・やはり気が重くなります。
マルハ・パワークラッチはプレッシャーカバーの圧着力を1,000Kgf に設定していながらも、スプリングレバー比を利用しペダル踏力を大幅に軽減させています。

写真のテスターはペダル踏力を測定するものです。
ペダルにテスターをフックさせ、実際と同じ要領で踏みつけます。その時の力(kg)をメーターで読み取る仕組みです。

 

CASE1: 純正クラッチ 18㎏
CASE 2: 純正形状 強化クラッチ 20㎏
CASE3: 社外システムクラッチ 30㎏
CASE4: マルハ・パワークラッチ 19㎏

上記のテスト車は全て過去マルハにて作業を行ったものですから、内容に間違いはありません。
ただし、どれもクラッチを装着してから時間が経過しているものです。
一方でパワークラッチのデーターは装着後の時間経過が他車とは異なりますから、条件が同一ではありません。
ここでの条件とはレリーズベアリングの摺動です。
新しくグリースを充填して組み上げたクラッチはペダルが軽く感じます。
些細な事ですが、レリーズベアリングのグリース充填はとても大切な作業と言えます。

それにしても、比較テスト用の車は全て現在も正常に機能しているものであり、またクラッチ装着後約1年程度の経過ですから、大幅にデーターが変わる事はないと判断しています。
皆様の目安には十分成り得るデーターと考えます。

データー上からは、パワークラッチは純正クラッチに比べ、ごく僅かに重いペダルである事がお分かり頂けると思います。
言い換えれば、非常に軽いペダルフィールなのです。
一方で、純正形状の強化クラッチは圧着力600Kgfなのですが、形状が純正品と同等の為にその重さがそのままペダルに反映されます。
とは言え、20㎏の踏力は十分対応できるレベルであり、どなたでも乗りこなせる範囲であると考えます。
数値で1~2㎏の差は、"若干"と言う言葉で足りる差ではありますが、実際に踏んで見ると,やはりその違いは分かります。

社外のクラッチシステムは30㎏とかなり重いペダル踏力です。
ペダルをリリースさせる時に、少し力を抜いてだけでもパンッと弾かれる様にペダルが戻ってしまいます。
サーキット等を中心に考えれば、この程度のレベルは十分なものと判断しています。
しかし、パワークラッチとの10kgの差は大変に大きいものです。

2.半クラッチ


半クラッチの"し易い・し難い"と言う操作性の差は先ずペダル踏力に関係します。
軽いペダルの方が微妙な踏み具合を簡単に操作できるからです。
そして、次にディスクの材質。つまり滑り易い材質と滑り難い材質の差になります。
マルハ・パワークラッチはカーボンとメタルの2タイプを用意しております。

先ず、カーボン・ディスクについて:

低温時は比較的滑り易い特性があり、温度上昇と共に喰い付きが良くなります。
市街地などの通常走行では、優しく使っているのでディスクの温度上昇は抑えられ、ディスクのある程度の滑りが可能なのです。
つまり、非常に乗り易い設定となっています。



そして、メタル・ディスクについて:

メタル・ディスクは今まで市場に多く流通している素材ですから、使った事がないカーボンとは異なり情報も入り易く、比較的イメージし易いと思いますが,現実は似て非なるもの。
パワークラッチに採用されているメタルは従来のメタルの概念とは全く一線を画するものなのです。
メタルの素材に潤滑性を盛り込み、半クラッチの幅を広げ、操作性を飛躍的に向上させています。
全く普通に乗れると言っても過言ではありません。

滑りを取り入れても十分な伝達力を確保できるには、理由があります。
第一にはカバーの圧着力。ロードスターのエンジンキャパシティーと車重を前提に1,000kgfの圧着力は十分過ぎる程のレベルです。
この圧着力を利用して確実にクラッチ・ディスクをロックさせる事が出来るのです。

第二にディスク羽。パワークラッチのメタル羽は6面になっています.皆さんが通常良く見かける羽は3枚羽が多いはず。
何気なく3枚羽を取り入れている訳ではありません。
従来のメタル素材では伝達が唐突な為に、羽数を増やすと半クラッチがシビアになり過ぎて、操作性を著しく低下させてしまうのです。
また、軽量化の為の形状でもあります。
つまりストリートユースを考慮しながらの3枚羽なのです。

一方、パワークラッチのメタルは6枚羽。つまり、"使いやすさ"にも配慮しながらの素材であり、且つ十分な伝達を確保する為の面積でもあるのです。6枚羽を1,000kgfでロックさせるのですから、圧着は安定しロック率は飛躍的に高まります。

第三には、ディスク径。クラス最大の230mmは圧巻。
ここで、強調しておきたいのがディスク径の数値に対する概念です。
他社製が225mmの大型径を採用して、その差は僅か5mm。
なんとも、その違いを理解し難いでしょうが、クラッチ・ディスクに於ける5mmの違いは大変大きいものと言えます。
例えば、使い込んだクラッチを取り外した時にプロの方なら誰もが目にする偏摩耗。
ディスク全面が均等に使われておらず、外周部に偏って著しい摩耗が見られる事があります。
おそらくは僅かな面当たりで走行していた事になるのですが、実際に今まで走行をしていた事を考えれば、ディスクの僅かな当たり幅でも十分に走行可能なトルク伝達が成し得る事を容易に理解できます。
そう言った意味からもディスク径の大型化は大変有効な手段であり、極力大型化に拘るにはこの様な背景があるのです。

3.ピックアップとシフトチェンジ

ディスクを大型径にすればその分、重量が増す事になります。重いクラッチ・ディスクはトランスミッションへの負荷も大きくなってしまいます。
パワークラッチのディクスはカーボンとメタル。僅か500gのカーボンは素材的に軽い事は理解できますが、メタルも実に800gと従来品に比べ大幅な軽量化に成功しています。ATS社のエンジニアは1gでもディスクを軽くする事に執着しているのです。

軽量フライホイール・軽量ディクス・鍛造アルミカバーのセット合計は約8kg。
この軽さは走りを意識するユーザーにとって、格段に鋭いピックアップをもたらす事になります。
エンジンをパワーアップさせ、高回転まで一気に伸びるチューニグを施すには、クランクシャフトを中心にした付属回転物の小径化や軽量化が大きく関与します。

大幅に軽量化されたディスクはミッション側にもかなり影響します。
メーンシャフト先端のディスクの軽量化はシンクロナイザーの機能に優しく、鋭いシフトチェンジを可能とし、スパッとシフトが入る絶妙さがそこから生れます。

軽快なシフトチェンジもパワークラッチの特徴なのです。

4.シャラシャラ音

クラッチペダルを踏むと、シャラシャラと音が出てしまうのが、従来のクラッチシステムでした。
パワークラッチにはこの様な音が全くでません。
理由は、プレッシャーカバーとリングの板バネによる連結なのですが、兎に角静かなクラッチ操作はストリートでは大事な事です。

パワークラッチの総合的なインプレッションとしては:
軽いペダル、カーボン・メタル共に大変扱い易い半クラッチ操作、ピックアップの良さ、
軽快なシフトチェンジ、ロングライフ、そして静かな作動。

チューンニングや走りを求めるユーザーに是非お使い頂きたい最新クラッチシステムです。

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