MARUHA MOTORS

BPカムシャフト NEWバージョン

本当に長い間、多くの皆様にご愛好いただきましたマルハ・カムシャフトがこの度BP用を先行して、バージョンアップいたします。
NA8C,NB8,NB8(可変バルブタイプ)まで含めて、全てを網羅するラインアップです。

今回新たに設定するBP用カムシャフトは、素材から削り出したタイプになります。
従い、多彩なプロフィール作成が可能になり、より皆様のニーズにお応えできる様になります。
また、従来お願いをしておりました純正カムシャフトの下取りの必要がなくなり、プロショップやプライベーターの皆様には落ち着いて作業日程に取り組んで頂ける事と思います。

NA8C・BP用 Fカム

作用角 リフト量 HLA ベース径
IN 252度 9.2mm 対応 33.6mm
EX 256度 9.5mm 対応 34.2mm

NA用スライド カムプーリー


(IN・EX共通)

NB8C(前期型 Sr-1)・BP用 Fカム

作用角 リフト量 HLA ベース径
IN 252度 10.0mm 要専用リフター 33mm
EX 256度 10.0mm 要専用リフター 33mm

専用ソリッドリフター 16個セット


専用キャップシム


2.65〜3.65mm 0.05mmごとに設定があります。
1台分には16個必要です。

NB8C(後期型 Sr-2)・BP用可変バルタイ用 Fカム

作用角 リフト量 HLA ベース径
IN 252度 10.8mm 要専用リフター 33mm
EX 256度 10.0mm 要専用リフター 33mm


専用ソリッドリフター 16個セット


専用キャップシム


2.65〜3.65mm 0.05mmごとに設定があります。
1台分には16個必要です。


開発にはエンジンベンチによるエンジン単体の性能を捉え、シャシーダイナモにて実車搭載性能も徹底的にテストを繰り返し、性能を求めたものです。
既存の他社製品には持ち合わせない、独自のアプローチから練り上げられたマルハ流ハイカムシャフトです。


左:ベンチ室で熱心に観測する様子。
右:シャシーダイナモで搭載状態で再テストを繰り返す。
入念に作りこまれたカムはテストを積み上げた結果にリリ−スされる。
  1. ベースサークルとリフト量 (NA用)
    カムシャフトの設計にベースサークルがあります。
    ベースサークルとは、カムシャフトラウンドテール部の直径になります。
    純正のカムシャフトはベースサークルが36mm。 
    この36mm径に対し突き出し量がカムリフトになります。

    例えばNA8C純正のカムシャフトは36mmベースサークルに対し、リフト量がIN8.1mm/EX8.6mm(実測値)あります。 
    つまり、カム山の先端はカムシャフト中心から半径26.10mm(IN)、26.60mm(EX)の弧を描きながら回転しているのです。


    左:NA8C 純正IN側カムシャフト
    右:NA8C 純正EX側カムシャフト

    これに対し、ベースサークルを同等のまま、ハイカム化を図るとカム山先端がさらに大きな弧を描き、場合によってはヘッド側の一部と干渉を起こす危険性が出てきます。 

    カムの最大半径を意識しながら設計される。
    実際に、NA8Cのヘッドを調査するとカム山とのクリアランスにかなりばらつきがあります。カムリフター周辺の微妙な鋳造時のバラつきは、純正カムでさえ僅かなクリアランスしか確保出来ない程です。


     
    左:カムシャフトセット状態
    右:カムシャフト回転時のかじり現象。ヘッド側リフターホール淵に干渉。
    つまり、36mmベースのままでは僅かにリフト量を上げただけでもヘッドに干渉してしまう車両が出てしまうわけです。他社製品カタログで、場合によっては干渉の恐れありとコメントされているのはそう言った背景があります。

    そこで、マルハではベースサークルを小径化し、ハイリフト化しても最大半径を純正と同等に留め、安全に装着が出来、且つ確実な性能を発揮できるプロフィールと致しました。


    最もベーシックなモデルとして販売されるNA8用Fカムでさえ、IN 252度・9.2mm/EX 256度・9.5mmのハイリフト化を実現。アイドルを安定しながら中速域から一気に跳ね上がるレブをお楽しみください。

    左:NA8C マルハFカムIN側カムシャフト
    右:NA8C マルハFカムEX側カムシャフト
    勿論HLA対応のポン付けカムだ。

    従来のFカムとしてのアイドル安定性や通常走行での乗り易さを大事にしながらハイカムらしいエンジンパフォーマンスを楽しむコンセプトはそのままで、さらにハイスペックで設定されております。

    (エンジン性能)
    以下データーはNA8をベースに弊社で組み上げたFカムバージョンのBPエンジンです。
    ピストンはNB8からの流用ながらハイコンプとし、フリーダムで制御。
    エアフロは排除し、純正インテークながら吸入効率を上げています。

    NA8C BP ベース

    1. ピストン : NB8(Sr−2)用ハイコンプ型純正ピストン(0.25mmOS)
    2. マルハ Fカム(Newバージョン)
    3. Freedom制御 ・ エアフロレス化
    4. 純正インテークマニホールド再使用(未加工)
    5. エアクリーナー交換
    6. マキシムワークス製エキゾースト (触媒装着)

    最大トルク 18.4kgf/6,200rpm
    最大パワー 184PS /7,200rpm

     

  2. ベースサークルとリフト量 (NB8 Sr−1用)
    ハイカムと称するカムシャフトは一般にハイデュレーション(作用角)とハイリフト(リフト量)の両方の観点から識別します。
    余り意識されていない為か、NB用純正カムのハイリフトが殆ど知られていません。
    実測値ではNB8(Sr−1)用純正カムは約9.0mmのリフトがあるために、ハイカムとしての性能を発揮させるにはこれ以上のリフト量が必要と考えます。他社製品にみられる様な作用角のみのアップにとどめずに、リフト量の観点からも煮詰めた製品なのです。

     
    左:NB8C 純正IN側カムシャフト
    右:NB8C マルハFカムカムシャフト 
    リフト量10mmはパワーを引き出す大きなポイント。
    これでもFカムスペックとしてリリースされる。つまりストリートスペックなのだ。
    最大半径は純正と同等にし、安心して装着が出来る。
    NB用のFカムはリフト量を10mmとし、バルブ周りのカーテン面積を拡げ、Fカムコンセプトを大事にしながらもトルクフルでパワーの稼げる性能を発揮いたします。
    勿論、バルタイ調整フリーとし面倒なバルタイ調整を省略し、純正カムプーリー対応としました。
    ベースサークルは33mmと小径化し、最大回転半径を純正以下にとどめ、確実に且つ安心して装着出来るように配慮されています。
    装着には専用のソリッドリフターとキャップシムが別途必要になります。
  3. カム作用角とバルタイ調整フリー
    Fカムはストリートチューニングを目的としているために、より多くの方に使って頂ける事を前提に開発されております。
    その為、作用角は純正に比べマイルドなアップに留めておりますが、徹底したプロフィールの検討と多くの時間を費やしたテストデーターを元に作り込まれた製品です。
    カムシャフト装着時に手間を取るのが、バルブタイミング調整。
    バルタイ調整を簡略したい方は純正カムプーリーをそのままご使用頂ければ、弊社推奨値にセットされるようにカムロックのピン位置を設定しております。
    ヘッドガスケットの交換やヘッド面研による条件変化等、チューナーの考えのものと別売のカムプーリーを使って細かにバルタイをとるのも勿論OK。様々なニーズに対応できるように配慮しています。
  4. NBアウターシムと浮き上がり現象

    NA型のBPエンジンは油圧制御のHLA(ハイドロ・ラッシュ・アジャスター)が採用されメンテナンスフリーとしていますが、NB型からはアウターシム式に変更され、より高回転での追従性を向上させています。
     
    左:NB8C アウターシムがカムに押される様子。
    右:押されたシムが浮き上がってしまった。 これでは使えない。
    本来であれば、このアウターシムをそのまま使ったハイカム化が便利なのですが、上述のベースサークルとリフト量の問題やアウターシムの浮き上がり現象の検証を踏まえてオリジナルリフターを使った仕様に変更しております。
    アウターシムはソリッド型リフターの上部に窪みを設けて専用のシムをはめ込む手法ですが、簡単に言えばリフター上部に載せているだけの物です。
    メリットはHLAに比べ高回転での追従性が良いことと、カム装着後も特殊ツールを使えば、カムを取り外さなくてもシムの交換が可能な点です。
    浮き上がり現象をイラスト化するとこうなる。
    ところが、リフターの納まりが悪かったり、カムのプロフィールの変更があると、シムが簡単に浮き上がる事があります。
    このままエンジン始動をさせるとハードな状況下でのシムの飛び出しが懸念され、安心して使うことができません。

    純正NBリフターとアウターシムの構成。
    従い、マルハバージョンはソリッド型リフターを別途設け、バルブ上部に被せるキャップ式インナーシムを採用いたしました。
    装着時のシム調整は少々手間が掛かりますが、リフターの軽量化を促進させ、且つ安全に回せる性能を優先させた結果なのです。
  5. NB用アウターシム式からインナーシム式へ
     
    左:NB8C 純正リフター(アウターシム式)
    右:NB8C マルハリフター(インナーシム式) /NA8にも使える。
    NB型純正カムシャフト(ベースサークル36mm)からマルハ・カム(ベースサークル33mm)インナーシムに変更される場合に、手間となるのがシム調整。
    しかし、正確にカムベースはマシニングされる為に純正に比べ半径1.5mmショートになることが予め分かっています。
    純正時のカム・クリアランスが適正であれば、基本的な計算式から必要なインナーシム長が確認取れるのも特徴の一つです。

    純正時と同じクリアランスを確保したい場合は、(純正アウターシム厚−0.2mm)のインナーシム長が基本適正値になります。
    キャップシムの着座の具合などで若干の個体差が出る場合もありますが、シム発注時における簡略化に大きく貢献します。

  6. ソリッドリフターによる軽量化

    NA型HLAからNB型アウターシムに変更された事により軽量化にも恩恵を期待したいところですが、実際にはアウターシムそのもの重さ、且つシムを着座させる為のリフター上部の強度により、実は純正HLAと大差の無い重量になっています。
    マルハ・ソリッドリフターの場合は、全体的にスリムな設計とし本来のソリッドリフターに要求される軽量化の面もクリアしています。
  7. NB用カムをNAに使う場合
    NB型のシム式カムシャフトをNAに装着する場合はHLAの問題からそのまま装着する事が出来ません。NB用に設けたソリッドリフターセットを使って使用することを推奨いたしますが、純正HLAを分解し代わりに専用クリアランスカラーを挿入する事で、対応することも可能です。
    純正HLAのセンターにあるプランジャーを引き抜き、専用カラーを挿入します。バルブ突き出し寸法などのバラ付きがあるために個体差があり、個々にバルブクリアランスを管理しなくてはなりませんが、高回転型カムを装着した際の性能は手間を掛けた分、安定します。


    NA8に使う場合には、純正HLA改のラッシュロックも手法の1つ。 コストパフォーマンスは高い。
    コストパフォーマンスを優先させるユーザーにはお勧めの手法です。
    NB用のFカムは33mmベースに10mmリフトを誇る高性能カムシャフトです。最大半径も26.5mmとなり、NA装着時には場合によっては僅かに逃げ加工が必要な場合もありますのでご了解ください。
  8. キャップシム
    バルブ上部に被せるタイプとし、確実な装着を図っています。リフター側センターにキャップさせる場合は装着時の抜け落ち等があり、作業面で苦慮する場合もあります。
    シムストックは2.00mm〜3.65mmまでを網羅し、0.05mm単位の区分けで管理されています。
  9. 純正バルブスプリングの再使用
    純正スプリングも先ずはデーターをしっかり取ってから 次のステップに進もう。

    これだけのカムシャフトを設定しながらバルブスプリングに着手しないのには、理由があります。
    純正バルブスプリングを個別にテストした結果、リフト量を10mm以上で設定しても問題が無いためです。
    特にNA8C・BP型は純正カムにおけるMAXリフト時には62kgfの加重を発揮し、10.5mmリフトでは実に75kgf超の荷重となります。
    デザインこそ流行のオーバルタイプではありませんが、このまま使用しても十分に強化バルブスプリングとしての性能を持ち合わせているのです。
    BP用NEWカムシャフト発売に併せて、リフト量アップに関連したバルブスプリング強度への懸念を払拭する為にあえてデーター公開といたしました。
    また、同様にNB用スプリングについても10mmリフトは問題ありませんが、高回転型エンジンを目論む方は、NA8用バルブスプリングの流用が面白いところです。
  10. 価格
    カムシャフトの開発には、金型、加工、試作、テスト、設備、時間、と発売に漕ぎ着けるまでにはかなりの予算と期間が必要になります。
    それらは全て販売価格と言う収益から回収されることは言うまでもありませんが、多くの方にお使い頂きたい信念から、できる限りのリーズナブルプライスに留めております。
  11. 他スペック
    今回紹介いたしますカムはストリートスポーツを前提にしたFカムですが、今後はその他バリエーションにも随時対応して参ります。
    レーススッペクのハイバージョンについても、どうぞお気軽にお問い合わせください。

[Home]