テクニカルアドバイス |
テクアド トヨタ86・101エンジンスワップ
ある日、一人の男がやって来て、ボソッと一言。 “86のエンジンスワップは儲かりますよ。” その時私は、“ほんとーにぃ?”と疑いの眼。 “今更、あんなQ車を手をつけてもしょうーがないだろーに”と返事をすると、 “まぁ これ見て下さい。”と奴は自分の86のエンジンボンネットを開ける。 おー!!。” そこには見事に収まった101の5バルブエンジン。 某SHOPで仕上げたスワップ。なかなかの出来です。 下手にチューニングするよりメーカー出荷の純正160PSで充分。 壊れなくて、長く乗れて、安い。オーナーのお言葉です。 考えてみればロードスター自体がFFファミリアのスワップ。 言い換えれば完全なメーカースワップ。ならば、101,111エンジンのスワップが在ってしかり。 説得力のある、スワップポリシー。
“ところで、ご用件は?”と聞けば、 “実は、冷却水が漏れているので、直して欲しいのです。” ”???” チューニングエンジンは何処でも嫌がられて、物好きマルハなら絶対さわりたがるよ、と風のうわさでご来店。 よーく見ると、あちこちから水漏れ発見。なーにが長く乗れて、壊れないだ。!! ヘッド裏(バルクヘッド側)からのワンオフのアルミパイプ、だけどしっかりした振動対策がないから熔接個所から水がもるもる。
当社のT-メカは大の86好き。自身も現86オーナー。得体の知れないチューニングが大好き男。 ここは86ユーザーには86メカを投入。 T-メカのご診断は、“ダメッす。パイプはボロボロ。作り直しのほうがイイッす。”
86バイブル(特集雑誌)を紐解くと、ちゃーんとスワップ用のサーモブロックなるものが幾つかのSHOPから販売されているではないか。 そして値段はー? 何とウン万円もするではないか。チョット高すぎの感ありき。 闘志がメラメラと湧いてくる。“俺がもっとカッコイイ奴 つくっちゃる。”っと豪語。 採寸、図面に取り掛かり。ところが時間掛かるのよ。 “いっそのこと、他SHOPの買わない?”と途中で何度も泣きを入れてもみんな知らん顔。 大体があんな狭いスペースにサーモスタットを含めたブロックを付けること自体が無理。 ←この間 どうやって、ボルトを通すのか、どんな工具でボルトを締めるのか。 考え出したらきりがない。 そして試行錯誤の2ヶ月。実はレースエンジンのことで頭が一杯。 すっかり忘れていました。 “そろそろお願いしますゥ。”と涙目のオーナーに罪悪感を感じた私はわずか2時間で図面を仕上げた。 うふっふ、トヨタのデカいサーモブラッケトは使わずにロードスター用でスペースの確保。 ニヤニヤしながら夜中に図面作成。トゥナイトを見てしまったあとからの仕事はちと辛い。 しかし図面の仕上がりにチョット酔いしれ、ご就寝。
サーモスタット部はある程度余裕を持たせ、ボルト固定部はギリギリまで薄くした。 業界発の新設計だ。これなら取り付けが楽になるはず。サーモが開く前はヘッド内で冷却水が充分循環する仕組み。ヒーターや各種センサの取り付けもOK.。 どーだ!の自信作。
あとの取り付けはT-メカにお任せ。 そしたら、101はエアフロ制御。結局インダクションボックスは2T-Gの流用。 ロウ付けでパイプを熔接したり、既存の穴を塞いだり。 冗談じゃありませんよ。時間ばっかり掛かって、とてもキット化なんて無理無理。
111ならいいけれでど、101はECU換えて制御を変更しないとチョットしんどい。
だけども、頑張った甲斐があって どうですこの出来栄え。 オーナーもすっかりご満悦。
ついでにディスビの移動キットも図面に起こしました。 HPでは紹介しましたが、メニュー化はしておりませんので、あしからず。
ご興味のある方は先ずはご相談下さい。 |
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