テクニカルアドバイス
For Roadster

テクアド キャブレターにフルコン

ロードスターにキャブレターを装着する傾向はそもそもがROMのチューニングや、ましてやフルコンを使ってのインジェクション制御が一般的でなかったのが根底にあるように思います。つまり、昔ながらに誰でも気軽にいじれるのが市場でウケタ訳です。

さらには、チューニングエンジンにはキャブレターの吸入空気量を端的に増やす事が極めて有効であり、パワーアップの必要アイテムとしても見直された結果と言えます。

一昔前の純正エンジンはもともとがキャブレター装着になっていたものを、さらに高性能なキャブレターに交換することで、チューニングとしていた訳で、現在のようにインジェクションからわざわざキャブレターに逆行することは他車では殆ど見られないケースです。

さて、キャブレターを無事装着。

複雑なインジェクターの燃料噴射から開放された瞬間です。

ベンチュリーを通じて、燃料はジェットと負圧に任せ、独特な吸入音に酔いしれます。

点火時期はB6はフラップを固定、BPはモジュレターで擬似信号を送り、それぞれ純正ECUに嘘をついて、それらしい点火をさせているのです。

では、マルハはどうかと言えば、一生懸命にROMチューンのECUを現在も販売しております。

キャブ仕様に純正ECUより、ROMで点火時期を調整することで、遥に良いレスポンスやパワーが得られることは間違いの無いところです。

ただ,本来吸入空気量が基本となって、ECUはプログラムされているので、エアフロを取り外すことは、ECUからすれば判断基準を取り上げられるようなもので、“どうすりゃーいんだ!”とブーブー文句が来そうです。

だから、“今はこんなもんです。”とすかさずの擬似信号となります。

“それじゃ点火はどうすんの?”と聞かれれば、“エンジン回転を基準にこんなところでお願いします。”とROMを書き換える訳です。

“あんたらちょっと無理いってんじゃーねーよ。”とふて腐れる純正ECUをスパッと切り捨て、もっと融通のきくフルコンに目をつけます。ここでフリ−ダムのご登場。

 

“私はエアフロ無くても、スロポジ(スロットル開度)とエンジン回転から点火時期を判断することが出来る優れものです。”とえばる。

“偉そうに、それじゃ−やってみろ”とFCRキャブでテスト。

“なんとなく良くなってんじゃ−ねーの”と分かったような振りをしていると、シャシーダイの測定結果を当社のDr.Mが冷静に判断。

“うーん?、こりゃ明らかに速いなー”とご診断。それじゃ、今度は実走。

そこらじゅうを走り回って、確認、確認。やはり確かにピックップやレスポンスが良い。

乗った車は、NA8C/BPのヘッド面研、264カム、FCRの当社定番メニュー。

さらに、Sr-2の為、ECUはそのまま。MAX/170PSオーバーの優等生。

そして、今回はフリーダムの追加。

低速は安定しているし、高回転の伸びも良く、A/Cオンではアイドル点火時期を変化させて、

回転の落ち込みを少なくします。マジ 結構速い。上出来です。

Sr-2の軽量フライホイールも手助けして、良い具合です。

細かく制御できると言うことは、エンジン作動環境において、常に最適な状況を設定可能にすると言うことです。

ノーマルエンジンでも、チューニングエンジンでも、それぞれの環境があるわけです。それに見合った制御をすることは本来のポテンシャルを引き出すことです。

点火時期は中でも、最重要ポイント。見逃すことは出来ません。

同じrpmでも、ちょっとのアクセルなのか、全開のパワーオンなのか、それにより細かに点火タイミングを分けることで、見事にキャブレターの生かし方も変わってきます。

今回はFCRでしたが、WEBERでも同じ事が言えます。

ショップの立場は、常に良いものを求めることを当然の業としています。

ユーザーからすれば、それらの技術を商品として購入する場合、予算や必要性、そして満足を考慮して決定します。

知らぬ間にギャップが発生します。

みんなが求めているのは、安くて十分に遊べるもの。

それなら、キャブ+ROMチューンでも良いかも知れません.

どの辺りで、ラインを引くかは大変難しいですが、私たちは極力販売価格を抑えた形で最新のチューニング、本格的なチューニングを目指したいと考えています。

本格的なマニアから、サンデードライバーまで幅広いラインアップで対応できるように頑張ります。

さらに詳細なデータを記述したDr.MのレポートをECU/Maruhaフリーダムのページに掲載しますので、

どうぞご覧ください。

単純なキャブレター仕様とフルコン制御のキャブレター仕様の違いが分かり易く説明されています。

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