テクニカルアドバイス
For Roadster

テクアド 燃料系のトラブル

先ずトレイに移した写真をごらんくだい。

斑模様の赤潮に似たこの液体。実はガソリンなのです。そして、錆びた水です。

オーナーの最初の説明は“ガソリンが減ってくるとエンジンが息継ぎをするようになった。”とのこと。

アイドルや空ぶかしでは実にスムースなエンジン。

“燃料系しかないな。”と当たりをつけて、先ずは燃料ポンプを取り外す。

ポプンプに付いているフィルターに錆びがビッシリ。

続いてタンクを下ろすと、中に錆びた水が結構な量で入っています。

これが悪さの原因。

作業としては、ポンプフィルターの洗浄、ストレーナーカートリッジの交換、燃料タンクの洗浄。

それ以後はトラブルが出ていないようです。

ただし、タンク内は少し錆びが発生していますので、交換が望ましく、恐らくいつかは又同じ症状が出てくるかもしれません。

お金を掛けると徹底的なメンテができるのですが、どうしてもオーナーは出きれば安くと言ってくるのでこのあたりの兼ね合いが難しいです。

実はこの車はマツダファミリアです。ポンプや他のパーツ構成はほとんどロードスターと変わりがありません。

つまり維持状況が悪ければいつでも同じようなことがロードスターでも起こりえることになります。

ロードスターの作業はもっと大変です。

ファミリはFF車なのでリア周りはスッキリしていて比較的簡単にタンクを外すことが出来ます。

しかしロードスターの場合、サスペンションの一部を外し、続いてプロペラシャフト、パワープラントフレーム、デファレンシャル、ブレーキパイプ、サイドワーヤー、リヤメンバー、そしてやっとタンクの取り外し。凄い手間の掛かる作業となります。

正直やりたくない。!!

と言う間に、本当にロードスターの燃料トラブル。

4連を装着した車が時々ギクシャクしてしまうとのオーナー説明。

プログラムの見直しや点火系のチェックとアレコレ。

実際に入庫しても症状が当社ではまったく確認出来ず、絶好調。

ポンプを外して見るが綺麗なモンで、タンクの燃料もレース用のポンプで全部吸い出したが,やっぱり綺麗。

悩んでいるより実行、今度はストレーナーを取り外し。トレイにストレーナー内に残った燃料を空けてみれば、出るは出るは黒いゴミ。

スゲー詰まっているじゃあないかい。

これこそが原因か否かは分からないが、困ったことがもう一つ、せっかく苦労して造った当社Dr.Mのプログラムが全部やり直し。燃料の通りが変わってしまったので、A/Fが変化してしまったのだ。

なかなか奥が深い。

こんなことでベストなセッティングが簡単に狂ってしまうのなら、メーカー出荷の純正はどうなのかと疑問の方も多いでしょう。

その通り、純正ノーマルエンジンの燃焼状態は実にバラバラ、結構アバウトなA/Fで回っています。

A/F計を付けて走り回ると、車ごとにバラバラ。だからある程度マージンを残した物でないと、トラブルになります。これこそがメーカーのデチューン出荷なのです。

最後に、対策として。

燃料は常に満タンを心掛け、水滴の発生を防ぐのが一番です。

空状態が多いユーザーほど、このようなトラブルに遭遇してしまいます。

カウンターの上に置いた水割りグラスを見ると早い時間で結構な水滴がついてしますでしょ。

隣のオネーサンに見とれているとグラスの周りはビショビショ。

条件次第で水滴はかなりの量が発生してしまいます。

最後の最後に、

ガソリンスタンドからゴミを貰うのも可能性ありです。

安いところを転々とするよりも、信頼のおけるスタンドの固定客になる方がBETTERと思います。

エンジンの調子が良いところ、燃費が伸びるところ。メーカー系のスタンドなのに夜遅く無印ローリーがこっそり止まっていないところ。

業界流通では安く仕入れることが生き残りの条件になっていまっています。

一見ユーザーには安売り合戦で有難いのですが、その裏で繰り広げられるコストの削減がある意味で怖い物になりつつあります。

第三国から安い燃料を仕入れて販売している会社だってずいぶんあります。

オクタン価なんか点火剤で自由自在。

そうなると、スタンドのメーカーを選ぶよりどこのメーカーのスタンドでも構わないから信頼の置けるところの常連になることが良いと思います。

実は当社はレーガスは使っていませんが、FISCOに持ち込むガスはいつも同じスタンドのものです。地味なスタンドですが信頼しています。

オマジナイではありません。

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