テクニカルアドバイス |
クラッチディスクのトラブル 写真のクラッチディスクはロードスターのものではありませんが、非常に参考になる例なので今回紹介することにしました。 よーく見ると、センターのスプライン受けの部分がズレているのが分かります。
同じ事例は他車でも見られます。 本来、クラッチディスクは繋がる瞬間のショックを和らげる為にディスクプレート部と、センタースプライン部が分割されていて、スプリングやゴムを介して接合されています。 つまり、エンジンのトルク伝達がディスクプレートから直接スプライン(ミッション)に伝わるとクラッチミート時にショックが出てしまう為、スプリングで一旦吸収した上でトルクが伝達されるわけです。 基本的には、日常用(ストリート向け)にこの様な対策がされている訳です。言い換えれば、タイムロスになるのでレース向けにはなりません。 APやTILTONのクラッチにはこんなダンパースプリングは付いていません。発進時は結構大変です。エンジンブレーキなどもリニアに効くので回転を上手く合わせないとリズムが取り難く、車の挙動が乱れます。 日本のチューニングパーツとしては、公道仕様のレースクラッチという訳で、ダンパー付きメタルクラッチが市場の主流になっています。メタルディスクは半クラに弱いので、なるべくダイレクトに繋がないとすぐに磨耗してしまいます。トントン繋ぐ事が大事なのですが、さすがに一般公道ではSTOP&GOが多すぎるため半クラの多用になり、効果なクラッチはドンドン磨耗します。ダンパースプリングも一役かって、本来難しいはずのクラッチミートが楽になり、磨耗の加速化を担います。 ただ、多くのロードスターユーザーはミニサーキットや、峠でドライブを楽しんでいるので、メタルディスクは必需品とも言えます。そう考えるとダンパー付きメタルクラッチは仕方の無い事でもあります |
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