テクアド 新型NB(BP)ピストンの比較
先ごろモデルチェンジされたNB系、カタログスペックは
160ps/7000rpm 17.3kgm/5500rpm とある。
加えて新機構の連続位相可変バルブタイミング(SV−T)の採用。
それにしても、少し物足りない感じがする。NAエンジンのライバル格ではシビック、MR−Sなどの高出力からするともうチョットパワーが欲しい気がします。
メーカーはそれぞれの考えがあって開発しているわけで、マツダとしてはこの辺りのエンジン性能でロードスターには充分と判断したのでしょう。
また,海外輸出などを多く対象にして生産される車種は現地の事情も考慮して基本設計される事でしょうから、カタログや雑誌だけの情報では分からないことも結構あると思います。
さて、注目すべき点がもう一つ、圧縮比のアップ。やはりピストンが気になります。
早速、比較をしてみることにします。
1) NA系BP/スタンダード
2)NA系BP/Bスペック
3)NB系BP/新型
基本的な金型はどれも同じです。
なるべくコストを掛けずに良いものを造ろうとしたものと思います。それにしてもピストンドームの形状は結構変えてきました。
個人的には好みの形状です。
1)、2)はフラットなトップをしています。
トップは極力平らな形状が望ましいとしている文献も結構あります。
圧力を均等に受けることで、首振りを抑える事が出来たり、燃焼の効率を上げることが出来たりします。2)のピストンはその典型的なものです。
ただ、バルブのリセスが無く、カムのリフト量を上げられなかったり、タイミングのトラブルに弱いと言ったデメリットがあります。
3)のピストンのようにリセスを掘り下げてゆくとバルブの角度と平行してドームの角度が付けられるので、尖った形状になります。
圧縮保持を考えながら、リセスを設けるのは難しいです。
この辺りで形状はガラっと変わります。そして気になるのが、トップ中央の窪み。
ほんの僅かな窪みですが恐らく燃焼に影響してくるのでしょう。
タンブル流(縦渦)を発生させると思うのですが、メーカーに確認したいところです。
データを取らないと分から無いですが、NA系BPにとっては今後チューニングに結構使われるアイテムになると思います。
重量の測定もしましたので、参考にして下さい。
1)298.1g 2)320.3g 3)307.8g
ピストンピンはどれも約79gです。
2) のピストンがチューニングスペックで販売されていたのですが、重量、価格、
リフトの制限を考えただけでも 3)ピストンの方が良さそうです。
ただし、チユューニング用としての耐久性や性能は当社としては今の所確認が取れていませんので、その辺りのレポートは今後のテクアドで報告します。
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