テクニカルアドバイス
For Roadster

オイルクーラーの位置   

オイルクーラーの取り付け位置について少し説明します。
ここに、2つの取りつけパターンを上げてみます。
1つは、非常に一般的なものです。ラジエーターの前部に設置するパターンです。
バンパーを取り外したところでオイルクーラーは中央に位置する

市販されているキットは全てこのタイプです。正直なところ、ここしか無いと言ったところです。
では、この位置で本当に良いのでしょうか?
オイルクーラーは水温よりも上昇している油温を冷却します。オイルクーラーを通過した風は熱風となり、そのままラジエーターに当たります。当然、ラジエーターの冷却効果は下がってしまいます。ただでさえ、グリルが狭いロードスターに、オイルクーラー、エアコンのコンデンサー、ラジエーターと3重になり、この状態で充分な冷却を期待するほうが無理な話です。
そこで、当社では個別相談で、ラジエーターの接地位置を変えるようにします。
1つの例が写真のバンパーの脇です。丁度右前輪の前方になります。

導入されたチューブは、オイルクーラー前面に密着している専用ダクトに接合され冷却外気は完全にオイルクーラーを通過するようになっている

バンパー脇の反射鏡を取り外し、エアガイドを新設しました。

これだけでは、流量がたりないので、フロントリップのエアガイドにチューブを接続、そのままクーラーの前面まで導き、さらにプラスチックダクトを使って、導入空気を完全にクーラーを通過させるようにしました。


この位置はポルシェから学びました。
ラジエーターへの空気量を損なわず、オイルクーラーを効かすのは結構たいへんです。
また、空気は物体に当たってから、流れを変えるばかりではなく、物体の手前から圧力により流れを変化させます。つまり、ラジエーター前のオイルクーラーが大きすぎたり、前方に出過ぎていると、グリルの外に空気が逃げてしまうことも考えられます。
バンパー脇はエアロタイプの場合、サイドに大きく穴を設けてありますので、それらを巧く利用するのが最も効果的だと思います。
リモートタイプのカートリッジも同じ場所に設置すれば、エンジンブロックの取り出し位置、リモートカートリッジの設置位置、クーラーの位置、この3つがほぼ同じ高さになり、
油圧の圧力変化の防止にもなります。
ただし、タイヤの前方になるので、小石が弾かれる場合も考えられます。殆どが後方に小
石を弾くので、それほど問題にはしていませんが、可能性は否定できません。
この辺りは、もう一工夫が必要かもしれません。

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