ブッシュ交換を通じて一言

久々に展開しているキャンペーンですが、コレが思わぬ大反響でほぼ毎日ブッシュ作業の様な感じです。
既に溜まった数百個のブッシュですが、今後さらに溜まる予定。
10月のスケジュールも埋まりつつある状況です。
ご興味のある方は、なるべくお早めにお問い合わせを下さい。

さて、今回はブッシュ交換の作業を通じて皆さんにチョッとアドバイス的な進言。

ブッシュ交換は、当然ながらサスペンション構成パーツ(ロアアーム、アッパーアーム、ナックル)の取り外しから始まります。
サスペンションの取り外しは、簡単に言えば固定ボルトの取り外し。
各ブッシュを貫通しているボルトを抜くのですが、簡単な様で実はそうでもない。

先ず、ボルトの曲がり。
ここで紹介するボルトはサスペンションの中でも最も長いボルト、リヤ・ロアアームのナックル側(タイヤ側)に使われているもの。


この部分が時々曲がっているのです。(勿論、他箇所が曲がっていることもあります。)
何故曲がるのか? 
最も考えられる原因はタイヤのヒットです。 
自身ではあまり記憶が無くても、縁石や障害物にカツンとぶつけているのが殆ど。
全く記憶のない人は、前オーナーの仕業かも?

曲がってるぅ? じゃぁ一緒に交換にしておいて下さい。・・・??
簡単に仰るユーザー横目に、メカが冷や汗。
コレがそう簡単な話ではありません。
こんなに長いボルトが曲がっていると言うことは、そう簡単に抜けないということなのです。
場合によっては、ボルトの一部をカットして、分割しながら抜き出すこともあります。
ボルトが曲がっていれば、当然タイヤのアライメントも狂っている事になります。
ブッシュ交換は、各部のボルトの曲がりチェックの場でもあるわけですね。
マルハでは、各部のボルトは常時ストックをしていますので、その場で対応が可能です。
ご安心ください。



さて、さて、困ったものがもう一つ。
それは、リヤハブ・スプラインの錆の固着。
デフから左右に伸びるドライブシャフト。シャフトの先端が縦溝のスプライン形状になっています。
ハブのセンターも同じようにスプライン形状のメス型。
オス/メス互いのスプラインが勘合する為に、回転方向に対して強固な形状になっています。
コレはコレで良いのですが、時として問題になるのは、錆による固着。
コレだけの長さのスプライン部が錆で固着してしまうと、そう簡単には外すことができません。
そうなると、登場願うのが専用の特殊工具。

 


ハブプーラーをセットし、荷重を掛けながら軽くハンマーでショックを与えたり、浸透性のあるスプレイを掛けながら、徐々に抜いて行きます。
このプーラーがなければ、先ず抜くことができません。
経験の浅いメカは深く考えずにひたすらハンマーでドライブシャフト先端を叩き続けるかも知れませんが、シャフト先端が無闇な殴打により変形するだけで、後からセンターナットが装着できなる羽目に陥ります。
つまり、たかが錆なのですが慎重に作業を進めないと返って傷める箇所といえるのです。

何故、錆びるのかと言えば、水が浸入するからで、それなら浸入しないように工夫をすればとも思うのですが、センターキャプがフロントの様に付いていれば結構なのですが、ご存知の通り、リヤについてはロックナットが剥き出し。
つまり、完全に対処する方法がない事になります。

マルハでは、ブッシュ交換の際に、全てのボルト、ナットやブッシュカラー内部に特殊なモリブデンスプレーを塗布します。
レーシングスレッドコントロールのMOLY WETです。


このスプレーでボルトの馴染み、カジリ、錆、等を防止します。
折角組んだブッシュが最初から無理なく機能するように、少しでも工夫を凝らすと言えば少し大袈裟ですが、メカニックとしてきちんと仕事をしたいと言う観点から工場内では当たり前の様に徹底されているケミカルです。
勿論、スプライン部にもブラシで磨かれた後にタップリとスプレーされます。
こうすれば、また次回シャフトを外すことがあっても、比較的楽に取り外しができるのです。
組み立てる際には、次回の分解も考えて作業をする。
当たり前なのですが、大変重要な事です。


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